生活保護を利用したいとき:東京の生活保護の申請情報

『路上脱出・生活SOSガイド』東京23区編より

【もくじ】

  1. 生活保護とは
  2. 生活保護の申請に抵抗がある人へ
  3. ひとりで申請するのが不安な人へ
  4. 生活保護の申請のながれと書き方
  5. 生活保護を利用してアパートに入った方の体験談

※ 団体情報については、ガイドが作成されたときのものになります。最新情報になっていない場合もございますので、あらかじめご了承ください。

1. 生活保護とは

生活保護は、「仕事がみつからない」「お金がない」「家を出なければならなくなった」「友人や家族に頼れない」などの事情があり、生活に困っている方であれば、だれでも利用できる国の制度です。その権利は憲法で保障されています。

国が定める「最低生活費」より、世帯収入が低ければ、その差額が生活保護費として支給されます(収入がなければ、最低生活費と同額が支給)。

~日本国憲法 第二十五条~

すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。

理由に関係なく、必要なときには、いつでも、何度目でも、申請できます!

住所がない方も申請できます。たとえば…

  • 路上で生活している
  • ネットカフェやサウナにいる
  • 知人の家にいる
  • 住民票のある住所ではない場所で野宿している

などの状態でもできます。利用には一定の条件があります。
まずはお近くの福祉事務所でご相談ください。

東京23区の福祉事務所一覧はこちら


2. 生活保護の申請に抵抗がある方へ

生活保護を申請すると家族に知られてしまうかもしれないと、今まで申請をためらったことはありませんか?

親や子どもなどの親族に、生活保護を申請した本人を援助できるかどうかを問いあわせる「扶養照会」は生活保護利用の大きな壁となっています。
そのような状況を受けて、国は福祉事務所に対して「申請者本人の意思を尊重することを求める通知」を出しました(2021年3月)。
これにより、扶養照会をされずに、生活保護の利用を開始できた方が多くいます。

ほかにも、「無料低額宿泊所や施設に入りたくない」「年齢が若い・働けると言われてしまうのが嫌だ」「住所がない」「持ち家がある」「借金がある」などの理由で、生活保護の利用をためらっている場合は、民間支援団体にご相談ください。

民間支援団体については、「食料支援・医療相談・生活相談などの活動をしている東京23区の民間支援団体一覧 」をごらんください。


3. ひとりで申請するのが不安な方へ

ひとりで福祉事務所に行くことが不安な場合は、生活保護申請の同行をしてくれる民間支援団体があります。申請窓口で正しい対応がされなかった場合も、民間支援団体へのご相談をおすすめします。

民間支援団体については、「食料支援・医療相談・生活相談などの活動をしている東京23区の民間支援団体一覧 」をごらんください。


4. 生活保護の申請のながれと書き方

(1)福祉事務所に行き、申請にきたことをつたえてください

(2)申請書を提出します
生活保護の申請書は、あらかじめ書きこんで、持って行くこともできます(下記の「生活保護申請書の書き方」を参考にしてください)。本人確認書類や通帳、印鑑などを持っていなくても、申請できます。

(3)申請が終わったら…
申請後、調査が始まり、基本的には14日以内(最長30日以内)に決定が通知されます。開始となったら、申請日にさかのぼって生活保護費が支給されます。

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福祉事務所で申請書がもらえず、申請できなかった場合

民間支援団体へのご相談をおすすめします。
ただし、つぎの内容を紙に書いて福祉事務所に提出すれば、申請の意思をしめしたことになります。福祉事務所は、かならず申請を受けつけ、調査を開始しなければなりません。

■タイトル(「次の通り生活保護法による保護を申請します」など)
■申請日の日付
■名前
■生年月日
■理由(「生活に困っている」など)

こちらから「生活保護申請書フォーマット」をダウンロードできます(Wordファイル、15KB)

申請書作成サイト「フミダン」

フミダンは、生活保護の申請書がつくれるサイトです。入力後、申請用紙を印刷できます。
東京23区に限り、サイトを通じてオンラインFAX申請もできます。

くわしくは「フミダン」ウェブサイト(https://fumidan.org/)をごらんください。

運営:一般社団法人つくろい東京ファンド


5. 生活保護を利用してアパートに入った方の体験談

【アパート暮らしをあきらめていたAさん】

落ち着いた住宅街での生活へ

警備員などの仕事を転々としていたのですが、持病もあって職場でうまくいかず、仕事と住まいを失い、路上とネットカフェでの生活を5年ほど続けていました。福祉事務所で相談したときに傷つくことを言われたり、話をきちんと聞いてもらえずに「働きなさい」と言われたりした経験があり、福祉事務所に行くことは気が重いと思っていました。

しかし、支援団体の人から「アパート入居をしませんか」と何度か話しかけられるうちに、「そろそろ足をのばしてぐっすり眠りたいな」と思うようになり、支援団体の人の同行で生活保護を申請。福祉事務所でも、丁寧に話をきいてくれる職員の方に出会い、「今までいろんなことがあったと思います。あせらずにAさんのペースで今後のことを考えましょう」と言ってもらえました。

今は、アパート暮らしで、ゆっくりお風呂につかれたり、順番待ちをせずにトイレが使えたりといった生活が、こんなに気持ちを楽にさせるのか…と実感しています。


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