ホームレス問題に関して
厚生労働省の2019年1月調査によると、現在の日本のホームレス人口は4,555人です。ここでのホームレスとは「都市公園、河川、道路、駅舎その他の施設を故なく起居の場所として日常生活を営んでいる者」と、野宿生活者に限っています。国際的なホームレスの定義である、固定した住居を持たない人、また、それを失うおそれのある人という定義に従えば、ネットカフェ難民やワーキングプアなどに代表される若者など、その数はもっと多くなります。
なお、ホームレス問題に関する詳しいデータにつきましては、「ホームレス問題の現状」をご参照ください。
昼間公園のベンチや駅の構内で寝ているホームレスの人たちを多く見かけます。しかし、彼らの中には一日中寝ているわけではなく、昼間寝て夜に仕事をしている人が多くいます。なぜなら、夜に野外で寝ていると、攻撃されたり盗難にあったりする危険が増すからです。彼らが生活の生業としているアルミ缶拾いなどは、人気のない夜に行われているということもあげられます。また、ホームレスの人たちの中には、何らかの障がいが疑われる方、心理的トラウマや精神疾患を抱えていてすぐには仕事に就けない状態の方も少なくありません。彼らは定職についてはいなくても、決して気楽で怠けた生活を送っているわけではないのです。
一見世の中には多くの求人雑誌があふれ、選ばなければ仕事はたくさんあるように見えます。しかし、いったんホームレスになってしまった人たちが就ける仕事は非常に限られています。その主な要因として、住所がないため就職活動ができないこと、仮に雇用されても最初の給料日までの生活費を捻出できないこと、年齢による制限、障がいや心身の病気による制約などがあげられます。一度ホームレスになったことで、就職の選択の幅は私たちが想像する以上に狭くなってしまうのです。
ビッグイシュー基金にホームレス状態の人が相談に来られた場合には、生活保護をはじめとする公的支援についての情報提供をし、必要に応じて利用のためのサポートも行っています。
しかし、「申請すると家族に連絡がいくのが嫌」「過去に冷たい対応をされたことがあるので福祉事務所には行きたくない」「働けるうちは生活保護を利用したくない」など様々な理由で生活保護の申請を希望されない方も少なからずいらっしゃいます。
各種支援の利用については、お話を伺ったうえで、可能な限りご本人の判断を尊重しています。
これまでビッグイシュー誌の販売を通じて、約200人がアパートに入り、一般的な仕事に就きました。また、雑誌販売以外にも、福祉や医療、入居のサポートや、10万部をこえる「路上脱出ガイド」の配布を通じて、多くの人の路上脱出やホームレス化の予防を応援してきました。「ホームレスの人たちの声」もよろしければご覧ください。
厚生労働省が毎年行う調査では、一見ホームレスの人の数は減少傾向ですが、ここでのホームレスとは「都市公園、河川、道路、駅舎その他の施設を故なく起居の場所として日常生活を営んでいる者」と、野宿生活者に限っています。ネットカフェや24時間営業のファストフード店などで夜を明かす「見えないホームレス」についての全国的な調査は行われておらず、実態は明らかになっていません。
また、ホームレス問題は、ひきこもりや依存症、ワーキングプアなどの様々な社会問題と地続きで、貧困や孤立の極限状態であると考えています。最も困難な社会問題のひとつであるホームレス問題の解決から、誰もが生きやすい社会を目指しています。
ビッグイシュー基金では、ホームレスの人が今日を生きのび、路上生活を脱出するための情報を1冊にまとめた「路上脱出ガイド」を発行しています。よろしければそちらの冊子をお渡しください。また、東京や大阪であれば、それぞれの事務所までお気軽にご連絡ください。お問い合わせはこちら。
基金に関して
ビッグイシュー基金は、ホームレスの人々に雑誌『ビッグイシュー日本版』を販売するという仕事を提供し、ビジネスの手法を用いてホームレスの人たちの自立を応援する「有限会社ビッグシュー日本」を母体としてつくられた、多くの市民の方の想いで成り立つNPO法人(非営利団体)です。
各種の相談事業や、人とのつながりを取り戻す場と機会を作ることを通じて、雑誌販売の仕事との両輪で、ホームレス当事者や生活にお困りの方のサポートに取り組んでいます。
具体的なサポート内容については、「活動内容」をご覧ください。
みなさまからお預かりした会費や寄付金は、固定的な事務局経費を極力節約し、できるだけ多くを事業費にあてるよう心がけています。事業やその費用は公開するとともに、会員・寄付者の方々には毎年1回発行の年次報告書にて報告させていただきます。
寄付に関して
基金では、市民応援会員(個人向け)、社会再生・サポーター会員(法人向け)と寄付という応援・参加のかたちをご用意しております。ビッグイシュー基金への寄付は寄付金控除の対象となりますが、会員は会報誌やお名前掲載等の特典があるため寄付金控除の対象となりません。ご希望の応援方法をお選びください。
詳しくは「応援・参加する」をご覧ください。
NPO法人のうち、運営組織、事業活動が適正で、公益の増進に寄与する団体として一定の要件を満たし、都道府県の知事又は指定都市の長の認定を受けた法人のことを認定NPO法人といいます。認定NPO法人への寄付は税制上の優遇措置を受けることができます。
ビッグイシュー基金は大阪府より「認定NPO法人」に認定されています。
ビッグイシュー基金発行の領収書を添えて、お住まいの地域の税務署で確定申告を行ってお手続きください。確定申告は例年2月中旬から3月中旬に受付されます。個人のご寄付の場合の領収書は1月~12月分をまとめて翌年1月下旬に発行・送付します。領収書の再発行はできかねますので、確定申告の時期まで大切に保管してください。
詳しくは「寄付金控除について」をご覧ください。
もし、遺贈、相続財産の寄付をお考えの時には、お気軽に電話か問合せフォームよりご連絡ください。当基金の顧問弁護士へのご相談(無料)も可能です。あらかじめ遺贈・相続財産の寄付の旨をお知らせの上、ご寄付をいただいた際には、入金確認後、相続税の控除を受けられる領収書を即時発行の上、送付させていただきます。
詳しくは「遺贈・相続財産の寄付をする」をご覧ください。
古本がNPO・NGOへの寄付・募金となる「チャリボン」という新しいしくみがあります。チャリボンを運営している「株式会社バリューブックス」へご不要な書籍、DVDなどをお送りください。買い取り相当額がビッグイシュー基金の活動への寄付となります。
詳しくは「ビッグイシュー基金×チャリボン」をご覧ください。
ビッグイシュー基金では、随時物品の寄付を受け入れを行っています。テレホンカードは当事者が事務所に連絡するための手段として常時受け入れています。その他必要な物品については「お知らせ」にて告知いたしますので、ご覧ください。
なお、保管するスペースが限られていますので、寄付をご検討の方は事前にお電話か、問合せフォームよりご連絡いただきますようお願いいたします。※野菜等、生ものの受入は行っておりません。ご了承ください。
ボランティア・インターン・取材などについて
ボランティアの方にお願いしているお仕事は、スポーツ・文化活動(サッカー、歩こう会等)への参加、事務所内作業、イベントのお手伝いなどです。
詳しくは「ボランティアに参加する」をご覧ください。
インターンは大阪・東京で随時募集しております。募集の告知は、「お知らせ」にてその都度お知らせしますのでご確認ください。
ホームレスの当事者の人は、家を失う過程で様々な経験をしています。他人には話しづらいことも少なくなく、初対面の人に質問をぶつけられること自体もストレスになりかねません。信頼関係を作り、同意を得たうえでお話を聞くことをお願いしているので、まずはボランティア説明会に参加の上、ボランティアか、インターンにご参加ください。
ホームレス状態になったということは、当事者やその家族にとっては大変センシティブな問題で、事前に取材の趣旨について確認させていただいております。まずは取材の目的や媒体など、企画概要をご連絡ください。お問い合わせはこちら。