ホームレスの人たちの声

ビッグイシュー基金が応援する人々〜ストリートからの声〜

松田良一さん

松田良一さん

松田良一さん(49歳)は、JR渋谷駅東急のれん街前でビッグイシューを販売。ホームレスフットサルチーム「野武士ジャパン」東京チームのキャプテン(2011年6月現在)でもあり、まじめで誠実な人柄で販売者さんやスタッフからも頼りにされています。


―販売を始めるきっかけは?

10年くらい前に神戸の飯場で仕事をしていた時代にニュースで見て知っていたんだけど、その後仕事を探しに東京に出た時、新宿でも売っているのを見かけて。そこで買って事務所に連絡したのがきっかけかな。

―販売の工夫や心がけていることはありますか?

販売の仕事にはやっぱり波があるから、売れない日も一ヶ月トータルで考えるようにして、一喜一憂しないように心がけているよ。逆に売れ行きのいい日はキッチリ売る。販売する時間を延ばしたりもしてね。それから自分で決めた販売時間は守る。休む日は前もってお客さんに伝えたり、掲示したりしてる。

―販売していてつらいときはどんな時ですか?

やっぱり雑誌が売れないときだね〜。そんな時は楽しかったことを考えるようにしてるよ。

―ビッグイシューの販売を始めてなにか変わったことはありますか?

「ホームレスのおっちゃんシリーズ」っていう手書きの読み物を配るようにしてからだね。最初の頃は「おっちゃんの1日」と題して、自分が朝起きてから寝るまでのことや近況を載せたんだけど、これが反響あってね〜。それからお客さんにいろいろ聞かれるようになったし…販売を数日休んだだけで心配してくれたり、卒業のことを書いたら「必ずココで買います!」と言ってくれるお客さんがいたり…。学生さんから取材を受けたりもして、こういう仕事だからこそ、人との繋がりってものへの考え方が変わりましたよ。

―フットサル(野武士ジャパン)をやっていてどうですか?

IT講座(http://www.bigissue.or.jp/activity/info_090125.html)に参加したんだけど、それが終わった流れで、身体でも動かそうかなと思って始めた。野球をやってたせいか勝負事にのめりこむ性格みたいでね(笑)。最初はとまどいもあったけど、コーチに色々教えてもらって上達していく面白みや、何より「ホームレスワールドカップ」っていう明確な目標が現実味を帯びてきたから。やってるからにはパリでの大会に行ってみたいという思いもある。
(野武士ジャパン活動ブログ/http://ameblo.jp/one-goal-one-step

―法律相談をしてみてどうでしたか?

失踪届け(注1)を取り消したくて、まずは話しだけでもと思って相談したけど、意外と手続きも簡単だったし、詳しく相談したら費用も安く済むことがわかったし。やっぱりパリへ行くにはパスポートも必要だし、アパートに入る時のことも考えてね。今は家族と連絡も取れて、役所からの書類を待っているよ。自分は長男だから人様に頼ることに抵抗もかなりあったけど「頼れることは頼ってよかった」と本当に思いますね。(活動報告法律相談/http://www.bigissue.or.jp/activity/info_11050701.html

―これからの展望などを聞かせてください。

色々相談できたおかげで、この先できることの広がりが実感できているね。例えば運転免許を取るとか。自分は自立へのステップが頭に入っているから、まずは前を向いてできることをやっていかないとと思ってる。

―ビッグイシューに期待することはなんですか?

雑誌そのものの知名度が上がってもっとたくさんの人に読んでもらえたらと思うね。

―支援者の方々に一言お願いします。

「ありがとう」の気持ちに尽きるね。自分が卒業してもビッグイシューをよろしくお願いします。


(注1)家族が失踪届けを出し、7年経過すると戸籍が抹消される。


販売を通じたお客様との関係や基金のプログラムなどを通じて、自分から手を伸ばし、そして差し伸べられた手を握り返す勇気を持つことで、前向きに一歩ずつ前進している松田さん、貯金プログラムでのアパート貯金も順調です。目指すホームレスワールドカップ、パリ大会は8月に開催されます。(2011.6.24)

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