基金では住宅問題の改善が「貧困問題解決の要」と考え、2013年から研究者、実践家の方々に呼びかけ「住宅政策提案・検討委員会」を設け、提案・調査の活動をしてきました。
これまで『住宅政策提案書』、『若者の住宅問題―住宅政策提案書[調査編]』、『大転換!住宅問題「市民が考える!若者の住宅問題&空き家活用」シンポジウム報告書』と3冊の冊子を発行、無料配布し、4回の市民参加型シンポジウムを開催しました。
大転換!住宅問題「市民が考える!若者の住宅問題&空き家活用」シンポジウム報告書(2015年10月1日発行)
2015年5月、大阪で『市民が考える!若者の住宅問題&空き家活用』シンポジウムを開催し、そこでの議論の内容をシンポジウム報告書としてまとめました。
報告書は①「住宅政策提案・検討委員会」による若年・未婚・低所得層の居住実態調査の報告と分析 ②NPO、自治体、不動産業者など、多彩なパネリストの方々を迎えての「空き家」と住宅困窮者のマッチングに関する取り組み報告や提案 ③参加者を含めた全体でのトークセッション の3部構成になっています。
印刷用PDF (PDF: 1,656KB)
目次
第1部 ─ 若者の自立を阻む 若年・未婚・低所得層の住宅事情と住宅政策
1. 若年・未婚・低所得層の住宅事情(調査報告要旨)
2.住宅政策は若者の自立の鍵/川田菜穂子 委員 ( 大分大学 教育福祉科学部准教授 )
3.居住の安定第一へ/稲葉剛 委員 ( 一般社団法人つくろい東京ファンド代
表理事 / 認定NPO法人もやい理事 )
第2部 ― 空き家活用の可能性を考える
1. 開かれた住宅や事業所をつくる─大阪市生野区における空き家の活用事例
月川至さん ( NPO法人出発のなかまの会 代表理事 )
2.空き家活用の事業モデルの提案─ 不動産業界から見た活用方策
伊藤嘉盛さん ( イタンジ株式会社 代表取締役CEO )
3.神戸市における民間賃貸住宅を活用した住宅セーフティネットについて
鷲尾真弓さん ( 神戸市住宅都市局住宅部住宅政策課住宅計画係長 )
第3部 ― 住宅問題の大転換へ─市民が語ろう!「若者の住宅問題&空き家活用」
~会場とのトークセッション~
『若者の住宅問題』 ―住宅政策提案書 調査編―(2014年12月12日発行)
首都圏(東京都・埼玉・千葉・神奈川) /関西圏(京都・大阪府・兵庫・奈良)に住む <1>若年(20~39歳)<2>未婚
<3>低所得(年収200万円以下)の男女を対象に、インターネット調査を実施し、1767人をサンプルに調査報告書をまとめました。
調査結果からは、6.6%もの人が広義のホームレス状態を経験している一方で、回答者の4人に3人が親と同居。3人に1人が「大卒」、「いじめ経験者」、3割弱が「うつ病経験者」など、無業・ひきこもりなどの社会的不利・困難を抱えた若年層の居住・生活の実情が明らかにされました。
地方自治体の若年者向け住宅手当を検討する上での根拠資料や、内閣委員会の質問資料として用いられるなど、様々な場で活用されました。
※冊子の配布は終了しました。
印刷用PDF (PDF: 3,934KB)
目次
第1部 若年・未婚・低所得層の住宅事情――調査結果の分析
平山洋介(神戸大学大学院教授)
1. 人生の足がかりをつくる――若者の住宅問題
1-1 人生の道筋と住宅
1-2 「年収200万円未満」について
2.“結婚する、できるは1割未満”――親との同居/別居と結婚意向
3. 増加した“移動しない人生”――出身地と学歴
4. 多い極貧レベルの人たち――経済生活基盤の実態
4-1 無職と不安定就労
4-2 少ない収入・資産
4-3 社会保険加入の不安定さ
5.いじめ、ひきこもり、就職挫折、人間関係トラブル、うつ病……
――苦難の経験と相談相手
6.親持家が6割、自己借家は2割――住宅所有形態について
6-1 誰の所有・賃貸なのか
6-2 住宅所有形態の特性
7.住居費や家事で親に頼る――親の家と世帯内単身者
7-1 親に頼れる/頼れない
7-2 続かない安定
8.負担の過酷さ天地の開き――住居費負担の特性
8-1 負担する/しない
8-2 異様に重い負担
9.親持家は”とどまるべき”場所に――住宅困窮と定住・転居指向
9-1 だれがどのように困っているのか
9-2 親の家の内/外―住宅所有形態について
10.“健康”、そして“住まい”と“仕事”が大切
――暮らし向きの変化、幸福の条件
11.“次の段階”へ、もっと選択肢を――住宅政策から社会持続へ
第2部 若者に多様な住まいを――調査結果から
・家を借りることがリスクの時代――檻のない「牢獄」と化した実家
藤田 孝典(NPO法人ほっとぷらす代表理事)
・若者の自立・家族形成の保障は住宅政策から
川田 菜穂子(大分大学 教育福祉科学部准教授)
・ホームレス化しない「絆原理主義の国」の若者たち
稲葉 剛(NPO法人 自立生活サポートセンターもやい理事)
『住宅政策提案書』(2013年10月30日発行)
ビッグイシュー基金では、住宅政策の再構築が日本の貧困問題解決の切り札と考え、2013年に研究者、実践家に呼びかけて「住宅政策提案・検討委員会」を設け、3度の委員会を開きました。そこでの議論を『住宅政策提案書』としてまとめました。
※冊子の配布は終了しました。
印刷用PDF (PDF: 4,143KB)
目次
1章‐不安定居住の変遷と広がり―野宿から脱法ハウスへ
2章‐住宅事情の変化をどう読むか―増え続ける住宅ローンや家賃の負担
3章‐ハウジング・リスクをもつ人びと―
単身者、母子世帯、不安定就労層、障害者、低所得高齢者など
4章‐住宅セーフティネットを検証する―ほぼ皆無の家賃補助と減る公営住宅
5章‐住宅政策の再構築に向けての課題―
投資としての公的住宅の拡充と居住政策へ
(制作 住宅政策提案・検討委員会/認定NPO法人ビッグイシュー基金)
※冊子の配布は終了しました。
上記資料を議論の素材としてご活用いただければ幸いです
上記資料は個人の方や、各地で課題に取り組む団体の勉強会・シンポジウムの際の配布資料としてご活用ください。
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